第0章 世界観



この『スターヒーローズ』には、決められた世界は設定されていない。
どのような国があるか、どのような宙域があるか、などはGMが自由に設定してよい。
でも、その中でも共通する要素はあるので、ここではそれを紹介しておこう。


惑星国家

この『スターヒーローズ』の世界の国は、基本的に一つの惑星を統治している。つまり、一つの惑星が一つの国、というわけだ。
これを、『惑星国家』と呼ぶ。
国の統治形態はさまざまである。ある国は独裁国家であるかもしれないし、ある国は王が全てを支配する君主制かもしれないし、またある国は、民主主義を敷いているかもしれない。
これらは、GMが自由に設定してかまわない。


宇宙船

この『スターヒーローズ』の世界での冒険に欠かせないもののひとつ、それが宇宙船だ。人々は、この宇宙船に乗って、星々を渡り歩くのである。
さて、『スターヒーローズ』の宇宙船には、いくつかの種類がある。

<宇宙戦闘機>
これは厳密には宇宙船とは呼べないかもしれないが。宇宙でも、そしてもちろん大気圏内でも飛行する能力を持った戦闘機である。クラッシャージョウのファイター1が良い例だ。戦闘機だけあって耐久力はあまりなく、巡航艇のビーム砲一発で大破寸前、宇宙戦艦の主砲を一発でも直撃で受けたらたちまち宇宙の塵となる未来が待っている。

<巡航艇>
クルーザーと呼ばれる。
一般的に宇宙船というと、このタイプを指す。小型の機動性を重視した民間用宇宙船のことだ。例をあげれば、スターウォーズのミレニアム・ファルコン号、ダーティペアのラブリーエンゼル、クラッシャージョウのミネルバあたりか。
色々な種類があるが、どの巡航艇でも共通して、次のような機能をもっている。

○ワープ機能
恒星系から恒星系に移動するには欠かせない、超光速航行だ。たとえ何十光年離れている宙域であろうと、これを使えば数分で到着することができる。
○居住能力
ワープは便利だが、いつでもどこでも使えるわけではない。ワープのできない宙域を進むには、やはり通常航行で、長い時間移動しなければならないわけで。そこで、宇宙船の中には、一通りの衣食住の生活を営むことができる設備が用意されている。
○武装
ほとんどの巡航艇は、ビーム砲などの自衛用の武装を持っている。宇宙には宇宙海賊や宇宙犯罪者が跳梁跋扈していて、非武装の船で宇宙を行くのは、「どうぞ奪ってくれ」と言っているのに等しいからだ。

なお、巡航艇はカスタマイズによって、次のタイプに分かれる。

○高機動巡航艇
装甲を削って機動性を上げたタイプである。その高い機動性に惹かれて、このカスタマイズの宇宙船を選ぶ者は多いようだ。
もちろん、一撃を食らったら、標準型と比べて大きな損害を受けてしまうが、このタイプの宇宙船を駆る者はみんな、口をそろえてこんなことを言う。

「当たらなければ、どうということはない」

と。(笑

○重装型巡航艇
高機動巡航艇とは逆に、装甲を強化したタイプである。当たっても被害が大きくなりにくい、ということで、こちらのタイプも選んでいる者は多い。
時には、高機動巡航艇愛用者との間で、どちらのタイプが優れているか、けんかになることもあるそうだ。

○超火力型巡航艇
火力で敵を圧倒するため、多くの武装を積み、そしてそれによって機動性が落ちるのを避けるため、装甲を薄くする、という極端なチューンを行ったタイプだ。戦闘に携わることが多い者が愛用しているほかに、宇宙海賊や宇宙犯罪者も、このタイプを使っている者が多い。
火力で獲物を宇宙の塵にしてしまっては、元も子もない、という気がしなくもないが。
もちろん装甲が薄いので、当たれば大きな被害を受ける可能性が高いし、下手したら弾薬に火が回って宇宙の藻屑になる可能性も高いわけだが。

○変形型巡航艇
性能的には標準型と変わらない。だが、このタイプには、色々な形態に変形できるギミックが内蔵されているのが特徴である。そういえば、アニメ版コブラのタートル号も、蛇のような形に変形する機構を有していた。
『スターヒーローズ』では、変形しても、能力に変化はない。なのになぜ、自分の宇宙船にそのような機構を組み込むのか、と問われれば愛用者は決まってこういう。

「かっこいいからだ」

と。いつの世も、変形はロマンなのだ。

<宇宙戦艦>
説明するまでもないだろう。戦闘力を重視した大型の宇宙船、それが宇宙戦艦である。
惑星国家の軍の主力をなしており、愛する星を守り、また愛する星に害なす者を打ち砕く、最強の盾であり剣である。
この宇宙戦艦はとても高額であるため、一般の者にはとても買うことはできないのがふつうである。中には、廃艦寸前の払い下げ品を、依頼の報酬として受け取り、お金を貯めてリペアしようというつわものもいるようだが。
宇宙戦艦の中でも小型(それでも巡航艇よりは大きい)のものは、宇宙駆逐艦と呼ばれ、艦隊の前衛艦隊として使われる他、闇ルートから流れているものを買い取られ、海賊の主力艦となることもある。

<宇宙要塞艦>
宇宙戦艦のさらに数十倍も大きい超大型宇宙船に、常識はずれの武装と装甲を施したもの、あるいは、宇宙要塞に申し訳程度の推進装置を取り付けたもの、どちらにしろその戦闘力は語るまでもない。
機動性は劣悪だが、その火力は、接近する前にほとんどの敵を宇宙の藻屑と変え、その装甲はほとんどの攻撃を防いでしまう。
まさにこの宇宙最強の戦力だが、その大きさから建造コストや維持コストも、洒落にならないほど高く、この宇宙要塞艦を保有することができるのは、かなりの大国に限られる。


ワープ

広大な宇宙空間。そこを通常航行で旅するのは容易なことではない。例えば、この地球からシリウスまででも、8.6光年。つまり、光の速さで8年以上もかかってしまう計算だ。
それを短縮してくれる航法がワープである。ワープを使えば、何十光年もの距離を数分で移動することができる。
一度のワープで、どれだけの距離を移動できるかは、その船による。 巡航艇で10光年が標準的だ。
なお、『スターヒーローズ』では、ワープの原理は特に設定しない。GMが自由に考えてよい。
ただ、ワープには重要な制限がある。障害物が多かったり、空間が不安定なところでは行うことができないのだ。いや、正確にいえばすることはできるのだが、その場合、安全にワープできる可能性が非常に低くなる。最悪、恒星の中に飛び込んだり、ワープ終了できずに、異空間の中を永遠にさまよう可能性もあるのだ。





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