第0章 プロローグ



はるか昔、魔界とこの世界との間には、通路が通っていて、多くの魔族が、この通路を通ってこの世界にやってきて、暴れまわり、世界を征服しようとしたことがありました。

そのとき、神様が現れ、魔物たちを打ち倒し、通路を閉じて、再び世界に平和をもたらしたのでした。

そしてそれから長いときが流れ……。

この世界に残された、数少ない魔物の一匹にそそのかされた一人の男が、その通路の扉を開けてしまったのです。

魔族たちは、魔王という支配者と、魔将という指揮官のもと、世界を再びわが物にしようと攻め込んできたのです。

ですが、今回は神様でもどうにもすることはできませんでした。

この世界から天界へと移り住んだ神様は、あまりに人間たちと離れてしまったがゆえに、その力が弱まっていたからです。
神様は、あまり人間たちと離れている期間が長すぎると、そのぶん、力が弱まってしまうのでした。

神様にできるのは、自らの使いたる、『あんばる』を作り出すことと、自らの力……魔力を秘めた宝石を作り出すことだけでした。

そんな状況でしたが、一つの希望が神様の目に留まります。
思春期の女の子の持つ『想い』の力が、魔力を増幅し、魔族に匹敵する力を発揮することを発見したのでした。

神様は、『あんばる』たちに宝石を託すと、人間界に送り出しました。

かくして、『あんばる』から託された宝石の力で変身して戦う少女……魔法少女と、魔族たちの戦いが、今、幕を受けたのです。



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